太郎です。
皆様、ゴールデンウィークは如何お過ごしでしょうか?
僕は、せっせと【ギャングスターター】の準備に取りかかっております。
さて、ゴールデンウィークになると必ず思い出すことがあるんです。
それは祖父との思い出です。
特にオチも何もない話ですが、
お暇でしたら読んでやって下さいまし。
10歳の時、転校して、
クラスに溶け込めず、
学校に行くのがしんどくて、
だから5月の連休は本当にありがたかったです。
前の学校の友達に手紙を書いたり、
大好きなテレビをみたり、
でも、数日後に始まる学校のことを考えて憂鬱になったりもしてました。
「馴染めなくて辛い」
と家族に相談すれば、
ちょっとは楽になるんでしょうが、
見栄っ張りな太郎少年は、
既に友達が出来、遊びに行ったりもしている弟の手前、
「そろそろ友達とか呼びたいなあ。
でも、うち3人部屋だしなあ。」
みたいな、切ない振る舞いをしていました。
連休も終わりに差し掛かったある日、祖父が散歩に誘ってきました。
家族と出掛けてるとこを、クラスメイトに見られるのって恥ずかしいお年頃だった太郎少年は、
「宿題がある」と、カツオ君ばりの嘘で断ったのですが、
「ファミコン買ってやるぞ」
という甘い言葉に、カツオ君ばりに掌を返し、散歩に行くことにしました。
散歩中、祖父と何を喋ったかはあまり覚えてなくて、
とにかくゲームが欲しかっただけでした。
時代はスーパーファミコンの時代でしたが、僕は憧れこそあれ、まだまだゲームボーイとファミコンで楽しめていました。
ゲームショップに着くなり、僕はソフトを物色。
でも、ここで高いものを貰うと、誕生日に響くかもしれない…という考えのもと、
ゲームボーイのソフトにしようと思いました。
そこで見つけたのが、ゲームボーイ版のくにおくんの大運動会です。
くにおくんシリーズは、転校前の学校でべらぼうに流行ってて、大好きだったのです。
ゲームボーイ版があるなんて知らなかった…
ゲームボーイなら、どこでも出来る!
三人兄弟の宿命で、ファミコンはゲーム機とテレビの取り合いになるので、ゲームボーイ版があるのは好都合でした。
「これ買って!」
と、お願いして、買ってもらって帰路につきました。
大分日も傾き、ちょっと風が出ていました。
家のすぐ近くには竹林があり、
竹と竹の間を抜けてくる風と、
笹の葉が風に揺れる音が心地良かったです。
帰宅後、早速ゲームをやろうと意気込んだら、祖父が
「キャッチボールしよう」と言い出しました。
正直早く大運動会をやりたかったのですが、
「ゲーム買ってもらったことをお父さんにばらされる」
と、勝手に思い込んだ僕は、
仕方なくキャッチボールをしました。
祖父はどんなボールを投げても
嬉しそうに「○○投手みたいな球だ!」と感想を言います。
それが楽しくて、気が付けば日も暮れ晩御飯の時間になりました。
晩御飯後、ようやくゲームをしようとしたら、父に「おじいちゃんにゲーム買ってもらったんだってな」と咎められました。
「キャッチボールしたのに!じいちゃんの嘘つき!」
と、してもない約束で祖父をギルティにしながら、布団の中でこっそり夜の大運動会を堪能しました。
やらしいことじゃありません。
くにおくんです。
そして、学校が始まります。
憂鬱な気分で、家を出ようとすると、祖父が草むしりをしながら「いってらっしゃい。」と声をかけてくれました。
「いってきます」と答えて通学路の竹林を進むと、祖父との散歩で感じた心地よさが、ちょっとだけあったのです。
それからその道が大好きになりました。
学校に馴染むのにはもっと時間がかかりましたが、街には連休あけて直ぐに馴染めた気がします。
今でも、実家に帰るときは必ずこの竹林を通って帰ります。
そして、祖父のことを思い出します。
祖父は、まだ新しい生活に馴染めていない僕を元気付けてくれようとしたんだと思います。
ゴールデンウィークになると、どこにいてもあの日の散歩を思い出します。
そしてくにおくんも。
僕にとってゴールデンウィークは、祖父とくにおくんの思い出つまった、ノスタルジックウィークです。
あ、森さんの誕生日も。
皆様のゴールデンウィークが素敵な思い出になりますように。
では!